FujiiQ(フジーク)は、北海道・倶知安町で1950年から続く「お菓子のふじい」から生まれた、1個100kcalの和菓子を中心にしたお菓子のブランドです。
「お菓子のふじい」の三代目である私が立ち上げ、お菓子のふじいとは別に、FujiiQ株式会社を新しくつくりました。
同じ私が経営するのに、なぜ別の会社にしたのか。
理由をたどると、後継者として店を守ってきた私が、あらためて「自分は何がしたいのか」を考えた2年間に行き着きます。
FujiiQをつくった背景と、会社を分けた判断を、順を追ってお話しします。
「期待に応えたい」気持ちと、夫の体調不良のあとに見つけた確信
実家に戻るとき、両親には「帰ってこなくていい」と言われました。
でも私は「箱はある。ニセコには可能性がある。だったら、起業するつもりで帰ろう」という感覚でした。
夫婦と両親だけだった小さなお店は、少しずつ大きくなり、いまは社員とパートを合わせて10名以上の会社です。
お店が成長する中で、私には、どこかにずっと「後継者だから、先祖や周りの期待に応えたい」という気持ちがありました。
2014年ごろ、夫が化学物質過敏症を発症し、ほかのスタッフと一緒に働けない状態になったことがあります。
そこで分子栄養学と出会い、たくさんの人の手助けで、夫は回復しました。
そのような中で「お菓子屋は、美味しさと引き換えに、健康を犠牲にするしかないのか」という問いを持ち、グルテンフリー、カゼインフリー、栄養療法と数年にわたって学び試行錯誤。
その末に「心の隙間を埋めながら、体もつくる。お菓子にしかできない栄養のアプローチがある」という確信にたどり着きました。
塩バター大福が話題になったあと「自分がしたいこと」を考えた2年間
栄養とお菓子について学ぶうちに、後継者としてやることと、自分がやりたいことが、少しずつ分かれてきました。
鉄を入れたお菓子を開発して、需要はあると確信した後、「塩バター大福」が、お店と同じ名字の有名な将棋棋士の、対局中のおやつに選ばれました。
全国ネットのテレビやYahoo!ニュースでも取り上げられ、通販が半年待ちになった時期もあります。
親族や知り合い、疎遠になっていた方からも温かい連絡をいただきました。
そして「十分、親や親族孝行はした。後継としての役割は果たしたのではないか。では、自分がしたいことは何だろう」という思いが出てきました。
それから約2年の模索の末、お菓子を通して、より良い健康のお手伝いができないか、という答えに行き着きました。
具体的には、次のようなことです。
- 体調を崩して病院に行く手前の人や、不調に気づいていない人に、気づくきっかけをつくる
- 大切な人への想いをお菓子にのせて、ギフトとして贈れるようにする
- 事業主の方が、スタッフに継続しておやつを届けられるようにする
- より力を出せるお菓子の食べ方や情報も、あわせて届ける
どれも、お菓子のおいしさを土台にして、そこに「からだ」への気づきを添えるという、一本の線でつながっています。
なぜ、FujiiQ(フジーク)はお菓子のふじいとは別の会社なのか
FujiiQを別の会社にしたのは、お菓子のふじいの役割を守りながら、もっと広い範囲の方に届けるお菓子をつくるためです。
お菓子のふじいは、倶知安で長く続く、地域に根ざしたお店です。
オンラインで全国にもお届けしていますが、地元の素材を使い、外から倶知安に来たいと思ってもらえるお店づくりや、この地域を知ってもらえる商品づくりを大切にしています。
その役割は、これからも守りたいものでした。
一方、私が考えたお菓子は、食べる人の目的や体の状態に合わせて選ばれるもので、届ける範囲も、もっと広くなります。
つくり方も、売り方も、必要な人手や設備も、ふじいのお店とは異なるのです。
そうなると、お菓子のふじいの製造の限界を、超えてしまいます。つくりたいものを自社でつくれるとも限りませんし、人材も設備投資も、無理が出ます。だから、別にしたほうがよいと判断しました。
会社を分けたのは、広げるためだけではありません。守りたいお店に、役割の違うことまで背負わせないための判断でもありました。
「100kcal和菓子」は、集めてきた経験の総決算だった
新しいブランドの代名詞になる商品が必要だと考えていたときに出てきたのが、100kcal和菓子です。
ここに至るまでには、次のような経験の積み重ねがありました。
- 夫が「和菓子なんて、そんなに需要はない」と悲観していても、私は和菓子の可能性を信じ続けていた
- アレルギー対応やヴィーガン対応など、決まった条件に合わせたお菓子づくりに、もともと興味があり、実際に作っていた
- 糖質を極端に減らして、体調を崩した経験がある
- 血糖値計をつけて、自分の体感と一般論を照らし合わせた。夫の体質改善のために、グルテンフリー・カゼインフリー、糖質、脂質、添加物の知識も実践してきた
こうした経験が一本につながって、100kcal和菓子になりました。
そこに、FujiiQのアドバイザーで脳神経外科医の藤田周佑先生から、以前に聞いた話が重なります。
「100kcalの和菓子はアスリートの補食として相性がよい」という話でした。
いろいろな人に「100kcal和菓子は必要か」と聞いて回り、腹落ちしたので作ってみると、モニターの方から多くの感謝の声をいただきました。
お菓子のふじいとFujiiQでは、お菓子が選ばれる理由が違う、ということに気づくようになったのです。
| お菓子のふじい | FujiiQ | |
|---|---|---|
| 中心になる言葉 | おいしい・かわいい・楽しい・うれしい | 必要性・あると助かる・役に立つ・おいしい |
| お菓子が選ばれる理由 | 好みで選ぶ(嗜好性が高い) | 必要で選ぶ(必要性が高い) |
「おいしい」は、どちらにも共通するものです。けれど、好みで選ぶお菓子と、必要で選ぶお菓子では、役割が違います。
これまで拾い集めてきた想いのパズルが、ここではまりました。
さいごに:お菓子にできることを、FujiiQで探していきます
FujiiQのサイトを公開した日は、お菓子のふじいの創業日と同じ、8月25日にしました。
お盆に行けなかった祖父母のお墓参りに行って、ふと「もう期待に応えなくていいな」と思いました。
後継者として期待に応える日々から、自分がしたいことを自分で選ぶ日々へ。
FujiiQは、その変化から生まれたブランドです。
お菓子は、おいしさや楽しさで、人のココロを満たしてくれます。
そのうえで、必要なときに選べるお菓子があれば、カラダへの気づきにもつながるのではないか。
私はそう考えています。
FujiiQのブランドコンセプトは「ココロも、カラダも満たす。」です。
お菓子のふじいを守りながら、FujiiQで、お菓子にできることを探していきます。
FujiiQについてさらに詳しく知りたい方は、公式サイトの次のページをご覧ください。
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